20.6. 科学のプロセス : 熱帯林の分断化は生物多様性にどのような影響を与えているか
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長期研究は、生物多様性や自然資源の最善の保全を考えるために必要不可欠 森林分断化の生物学的動態に関するプロジェクト(BDFFP) ブラジルのアマゾンの奥深い森林に生態学的「実験室」がある
このプロジェクトは1979年に始まり、牧畜や農業のために森林伐採する土地所有者に、手を加えない森林の区域を散在的に残すことを、法律によって求めている
生物学者は孤立化した森林に1ha、10ha、100haの保護区をつくることを、一部の土地所有者に対して募っている
数百人の研究者がBDFFPの研究サイトを用いて、森林の孤立化が生態学の各レベルに与える影響を調査している
観察
最初の観察は、他の生態学的研究の結果から情報が収集された
たとえば温帯林における孤立化の影響、あるいは小さな島と大陸の間での生物多様性の違いなど 疑問
熱帯林の分断化は、孤立化した森林の生物多様性にどのような影響を与えるのか 仮説
予測
ジャガーやピューマのような広い縄張りをもつ大型捕食者を研究している生態学者は、捕食者は大きな面積の森林にしか見られないと予測した 結果
概して、分断化による森林の小面積化は種多様性の低下を引き起こすというもの
大型哺乳類、昆虫、昆虫食性の鳥類など多くの種の局所的な絶滅の結果として、種の豊富さが減少した
現存している種の個体群は、たいてい小さくなった
研究者は、林縁の効果についても報告した
分断化された森の林縁における非生物的要因の変化、たとえば風害の増加、温度の上昇、土壌水分の減少などが、群集を改変した
生態学者は、樹木の死亡率が分断化された林縁で高くなることを発見した
また、土壌や腐植に生息する無脊椎動物群集の種組成も変化することが観察された